「4時48分サイコシス」とは?




英国劇作家サラ・ケインの遺作
登場人物の表記もト書きもない
まるで詩ような文体で世界中のファンを魅了した戯曲。
「4時48分サイコシス」に、
花野組♣福岡は2010年から取り組んでいます。

劇作家 サラ・ケインについて

Sarah Kane イギリスの女流劇作家。92年にブリストル大学演劇科を卒業。バーミンガム大学修士課程で学ぶ。在学中『爆破されて (Blasted) 』で劇作家としてデビュー。ノーベル賞を受賞した作家ハロルド・ピンターらに賞賛されイギリスに衝撃を与える。その後 4年間に、4つの戯曲と 1本の映画脚本を執筆し99年に自殺。享年28才。



アーティスト 花野純子について

映画監督+脚本家+アーティスト。福岡在住。福岡雙葉中学・高校卒業後に劇団ユヤユヨンを主宰。映画音楽家の小野川浩幸らと活動する。90年代石井聰亙(岳龍)監督に見出され映画界に転身。その後、花野組♣福岡でワーショップ事業を展開。2010年から「4時48分サイコシス」に挑む。
花野純子♦PROFILE

不幸な「僕 」は神の愛を乞う

サラ・ケインの実話をまじえた遺作と考えられてきた「4.48psychosis」難解戯曲の最新の結論は「主役は性的違和感を持つ女性」であること。主人公の恋の相手は精神科の女医であり、その失恋が自殺という悲劇へ繋がっていきます。清廉潔白な残酷さでクライマックスを迎える2017年のサイコシス。80年代の英国ロックを中心にマニアックでレアな選曲にもご期待下さい!

戯曲の美しさの正体に迫る

サラ・ケインは本作を執筆している最中、鬱病に苦しんでいました。朝の4時48分に起床し薬の副作用が抜けた意識下で執筆をしたのです。同じくイギリスで80年代に夭折したJOY DIVISIONのイアンカーティスを思わせるファッションに身を包んだ女流劇作家サラ・ケイン。1999年の彼女の死は、当時イギリスのガーディアン紙で「イアンの悲劇の再来」と嘆かれていました。戯曲は、詩的で美しいと同時に鉄壁の難解さで、安易な解釈を許さないものでした。この作品の美しい痛みを、観客の皆様と共有できることを願っています。